私は、子供が0歳の時に某IT系外資企業に転職しました。
転職して約7ヶ月(2019/11現在)が経って生活リズムも落ち着いてきたので子供が小さい時の転職や実際の転職活動について書いていきたいと思います。
本記事では、コンサルタントになったその後についても触れつつ、転職活動(2018/10-2019/1)について体験談を紹介します。
転職を思い立った経緯
学歴:知名度0の大学を卒業。教養学部という手に職のつかない学部でした。
職歴:新卒入社した大手SIerの会社でSEとして働く。知識0からスタート。
前職は、大手SIerでSEの仕事をしていました。みなさん、SEってどんな仕事をしているかわかりますか??
おそらく、実際にSEとして仕事をしている人は「ITの何でも屋」と回答すると思います。人によってはプログラムを書いたり、ネットワークをやったり、データベースをやったり。業務範囲は本当に幅広いです。
実は、SE(システムエンジニア)という職業は日本にしかないのです。
ITの本場であるアメリカでは、SEというなんでも屋の職業は存在しておらず、専門領域ごとに明確に区別されています。
プログラマー、インフラエンジニア、データベースエンジニアと職種が分かれており、それぞれ採用されています。
よく考えてみればそれが正しいですよね。今までネットワークしかやってこなかったSEが急にプログラミングで大規模開発をやってくれと言われてもできるわけがありません。
この結果、なんでもやらされて調査にも時間がかかり毎日遅くまで仕事という状況でした。独身の時はそれでもいいかもしれませんが、結婚して子供が生まれると家族との時間をしっかり確保したいと思うようになりました。そんなSEという職業が嫌になったこと、そして何よりSEのよくある働き方である客先常駐が嫌になり転職を決意しました。
私自身、どちらかと言えばインフラ(ネットワーク、サーバ等)を専門にやってきたのものあって最近ホットなクラウドに携わる仕事がしたいと思い仕事を探していました。
なぜクラウドかというと、自分自身のこれまでの経験が活かせる点、世の中の流れがクラウドに向かっておりしばらくは安泰な業界である点、そして家からもアクセスできるため家にいながら仕事ができるという点が魅力でした。
とはいえ、クラウドは未経験です。実務未経験からクラウドのエンジニアになるまでには、本当にさまざまなことを調べ、実際にクラウドを触って実務のイメージを膨らませてみたり、クラウドに携わっている知人に話を聞き、時には諦めまた調べと紆余曲折を経てきました。
その結果、今勤めている外資系のITコンサルタントになりました。今ではクラウド関連の資格をほぼ取得し、お客様にクラウドに関するアドバイスをする仕事をしています。
転職活動
まずはインターネットで転職についていろいろと調べるところからスタートしました。
調査してみてわかったことは、どのページも良いことばかり書かれていて実情が見えづらいという点でした。
それもそうですよね。転職活動に成功した人は大々的にネットに記事をかけるかもしれませんが、失敗した人はなかなか書かない。(とても需要はあるんですけどね)
なので、まずは転職エージェントに登録し、実情を聞くというステップを踏むことにしました。
私が利用した転職エージェントはレバテックキャリアです。目指す業界が決まっていたこともあり、IT特化のエージェントでノウハウもあり、さまざまな情報が聞けるだろうと思ってここを選びました。ネットには複数のエージェントに登録している人が多いようでしたが、転職活動がはじめてであり、どの程度時間がとられるのかもわからなかったのでまずは1社に登録してみることに。
実際、エージェントの方から、私のように子供がまだ小さいけれど転職活動を実施している人は多い、クラウド業界を受けている人はどういうキャリアを持っている人か、など欲しい情報をたくさんお聞きすることができました。以下では、私が具体的にどのような活動をおこなったのか書いていきたいと思います。
エージェントとの面談
まず、エージェントの方と面談です。サイトに登録した際に、どのような業界、企業にいきたいのか入力するのですが、その内容に基づいて担当者が割り振られます。
私の場合は、IT、特にクラウドを志望していたのでクラウドに強いエージェントさんが担当してくれました。
面談の中で、クラウドが未経験の話をすると
「クラウド業界に転職する人はほとんどが未経験です。むしろクラウドサービスを提供する企業はクラウドについては未経験で問題なく、入社してから学んでくれれば良いと思っています。むしろ、クラウドによって隠蔽されるハードウエアやミドルウエアの部分について知識を持っている人を採用する傾向があります。問題が発生して調査を実施する時、そのあたりの知識があると調査がスムーズに進んだり、お客様への説明に説得力がでてくるためです。ただ、これもあれば良いという感じで全くの未経験でも採用実績はありますよ」
とのこと。過去には、前職が営業だったり、経理だったり、マスコミだったりとさまざまな人が合格しているとのこと。
正直この時は、そんなことはないだろうと思っていたのですが、実際に入社してみると様々な職業の人がいました。対人関係スキルだったり、数字を細かく見るスキル、調査するスキル、さまざまなスキルを活かして仕事をしていました。
クラウドサービスの知識を身につけ、プラスアルファで前職で身につけたスキルを活かせるのは非常に魅力です!
「なので、まずはご自身の強みを見つけるために自己分析を実施してください。資格という目に見える強みもありますが、人間性についても強く求められますよ」
なるほど、と思いまずは自己分析サービスを利用することに。
自己分析で強みを見つける
自己分析は、新卒入社の時もやった記憶があります。
50くらいの質問に回答して自分の性格を診断し、職業適性を見るやつです。
当時の結果は「責任感が強いあなたは経営者に向いています。」的なことが書かれていた記憶があります。
ほうほう、と思っていましたが「就職活動やめて起業しろってことか!?」と一人でツッこんでいましたね笑
今回はどのような結果になるのでしょうか。
「責任感があり、チームを大切にするあなたはプロジェクトマネージャに向いています」
なるほど、でもこれ今の仕事でやってることを如実に反映しているなー。回答の仕方が悪かったかな。
これはこれで、結果の一つと受け止め、自分で自己分析をやってみることにしました。具体的には以下のようなことをやりました。
- 自分がこれまでやってきたことの書き出し。入社1年目からどのような仕事をして、どのような経験を積んできたか、当時の仕事内容を細かく記載
- その中で、特に印象に残っていて、自分の中で役立った順番に並べ替え
- 並べ替えたものの上から5つくらいを深堀り。なぜ印象に残っているのか、仕事の内容だけでなく人間関係など広い視野で仕事内容を明確化、今の仕事の仕方にどのような影響を与えているのか。
結果、A4で2枚くらいのボリュームになり、上位5つについて深掘りを実施しました。
すると、私は良好な人間関係の中で、自分の確固たる地位(XXを担当している人等役割が明確にある)があり、決められた時間の中で仕事をすることで達成感を味わっていたようでした。意外だったのは確固たる地位という点です。ここは個人的には重要視していなかったのですが、マネージャ職をやっていた時は実務ではなくマネジメントに関する雑務に追われ、実際の現場の仕事にはほとんど携われていなかったという思いがありました。マネージャとしてチームの一員という確固たる地位を築いていたのですが、内心現場の仕事をしておらず、後ろめたい気持ちがあったのだと思います。
私は、マネージャ職ではなく、技術的な面で仕事に貢献していきたい人間なんだと自己分析をして気付くことができました。
面接準備
自己分析の結果、自分がどのような仕事をしたいのか徐々に明確化することができました。
その結果に合う企業をいくつか選定し、いよいよ面接の準備に取り掛かります。
まずはエントリーシートの作成です。
学歴、社歴等の基本的なプロフィールの他に、業務経験を記載しますが、ここで自己分析の結果が役に立ちます。自分自身がどのような仕事をしてきたのかをすでに整理しているのでその内容に少し追加すればOKでした。
実際エージェントさんに添削していただいて、追加したことは自己PRの部分です。確かに、実際にこなしてきた業務は事実としてはわかるのですが、それが希望する企業にとってどのように役立つのかを明確にする必要があります。
例えば、以下のような文章があったとします。
「XXシステムの開発を行ってきた。5人という少ないメンバーでの業務だったが、人数が少なかった分メンバー同士が密に連携し、納期までに完了させることができた。その中で私はプログラムのテストを担当。」
確かに、やったことはわかるのですが「で?」って感じですよね。ここに自己PRの要素を盛り込んでみます。
「XXシステムの開発を行ってきた。5人という少ないメンバーでの業務だったが、人数が少なかった分メンバー同士が密に連携して開発を進めることができた。その中で私はプログラムのテストを担当した。テストは開発工程の最後であるため、スケジュールコントロールは自身の仕事であると考えた。各メンバーの作業状況を把握し、予定通りテストを進めることができるよう全体をコントロールする動きをとった。その結果、納期までに完了させることができた。」
いかがでしょうか。自分自身がどのように考え、行動したかを記載することでその人の人間性が表れます。この人がうちに入社してくれたら主体的に行動してくれるだろうと想像させることができます。
面接と内定獲得
企業に提出する資料を作成したら、次は面接準備です。
今回の転職活動の中で、1度面接で落ちました。その時の経験をもとに、面接のコツを研究しましたのでお伝えしたいと思います。
面接のコツですが、ズバリ「共感」です。
面接でよく聞かれる志望動機や自己PRなどは、自己分析の結果からあたりをつけることができますし、エージェントさんも一緒に考えてくれます。
実際、この点を十分用意して1社目を受けた時、面接官の方とは機械的なやりとりで終わりました。自己PR等の話をするのですが、ふうんという感じであまり刺さらず。。
相性もあるのかもしれませんが、結果は不合格でした。
この時の様子を私なりに分析してみました。
まず、志望動機、これは普通でした。面接官の方も志望動機の内容をベースにいくつか質問をしていってくださいました。
しかし、ここで私は自分の話ばかりをしてしまいました。自分はこう動いた、こういう価値を提供できるなど。
話終わる頃、それを聞いていた面接官の表情が心なしかつまらなそうにしていたように思えました。
予想はしていましたが、やはり不合格の通知が。
エージェントさんとも想定面接で練習したのですが、面接官役の方のスキルの高さもあり上手くできていると勘違いしていたようです。
私は、どういう話し方が良いのか調査を実施しました。
その結果、ひとつの結論にたどり着きました。
それは話の内容に共感を得ていただくということです。
こちらが一方的に話すのではなく相手にいかにして聞いてもらうか、そして興味を持ってもらうか。
文字だけ見ると、なかなか難しいですよね。しかし、これは相手のことを知ることでなにに興味を持っているのかがわかってきます。面接官は知らない人ですので、限られた情報からどういった話に興味を持ってもらえるのかを分析する必要があります。
例えば募集要項です。
XXの技術者優遇と記載されていれば、その技術者が足りていないんだなと明確にわかりますが、ではなぜ足りていないのかを考えます。
大きな仕事が取れて人が足りないのか、急に辞めてしまって足りないのか。いくつか考えられることがあります。
それに対して、自分なりの解釈を用意します。例えば、「現職でも急に技術者が必要になって採用に苦労した」や「病気などで急に休んでしまうことはプロジェクトを進めていく中で一大事ですよね」など。企業の状況に共感しつつ自身の体験を伝えていくのです。
また、面接当日に面接官の自己紹介を聞いて共感ポイントを用意するという方法もあります。
自己分析をして整理した中でこの人が興味のありそうなエピソードはなんだろうと考えるのです。かなり瞬発力が必要ですが、しっかり自己分析をやっていれば伝えられるはずです。
ちなみに、私が内定をいただいた企業は5回の面接を行いました。
面接官の方々の職種は、営業、技術職、人事でした。そのこと受けて、営業系の方にはお客様とのコミュニケーションに関する話、技術職の方には現場で実務をしている中での話、人事の方には、プロジェクトで急に人が来なくなった時に大変だった話をしました。いずれも、うんうんと聞いてくれ時には笑い声も入るなどむしろ楽しく面接を終えることができました。
面接の準備として志望動機や自己PRをしっかりつくることも大切ですが、面接官の方に合わせて刺さる話題を提供できるよういくつかエピソードを準備しておくことがとても大切だと感じました。
入社後の生活
入社してから3ヶ月は、クラウドサービスのお勉強とOJTでした。
外資系らしく、3ヶ月でクラウドサービスの全ての資格を取得するという目標が設定されましたがそれ以外は自由で、子供の保育園の送り迎えもできています。お客さんとの打ち合わせがある場合は難しいですが、常駐していた頃と比べると圧倒的に家族との時間を作ることができています。
まさに、転職活動を始めた時に考えていた理想的な働き方が今はできていますし、自分自身が成長していることも実感できています。
おわりに
子供がまだ小さくて、転職を悩んでいる方はとても多いと思います。
今の仕事のままで家族は幸せなのか、今の収入で子供を育てていけるのか、今の仕事に将来はあるのか・・・等悩みは尽きません。育樹休暇を取得した私はそのようなことばかり考えていました。
でも、考えていてもなにも解決されないことに1ヶ月考えた結果たどり着きました。
まずは、転職エージェントに登録してみて抱えている悩みを話してみるのも一つの方法だと思います。すると、同じ悩みを抱えている人は実は結構いて、その人たちがどのような道を選んだのかお話を聞くことができるはずです。
ここに書かせていただいたのは、私が子育てをしながら転職活動をした体験談です。この内容が今悩みを抱えている方の参考になれば幸いです。