パパは育児修行中

育児に関する体験談やお金の話、実際に購入したグッズの紹介をしていきます。

息子が停留精巣で手術をした話

2019年9月に、息子が大学病院で手術をしました。

病気ではなく、生まれながらにして停留精巣という睾丸が袋におさまっておらずお腹の方に留まってしまうというものです。

手術は成功、事後経過も良好なのですが、私自身、全身麻酔での手術は経験がなく非常に不安でした。そんな中で、停留精巣について調べたことや手術について書いていきたいと思います。

 

 

停留精巣とは

停留精巣について、http://www.twmu.ac.jp/KC/Urology/disease/child/testicle/:東京女子医科大学のページに以下の記載があります。

 

停留精巣とは陰嚢(おちんちんの下のふくろ)の中に精巣(睾丸とも呼ぶ)が入ってない状態で、男の子の先天的な異常の中でもっとも頻度の高い疾患です。

 

予定日で生まれた男の子の約3%が停留精巣なんだそうです。

うちの息子は保育園の健康診断で発覚しました。たしかに、他の子と比べると袋の大きさが小さいかなと思っていたのですが、まさか停留精巣だとは思ってもいませんでした。

停留精巣自体はすぐに問題が発生するというわけではなく、大きくなるにつれて問題が出てきます。

睾丸は、体温よりも1、2度低い環境で活発に活動するらしいのですが、それが体内にあると精子が作られる量が減少してしまうようです。

また、精巣がんになるリスクも高まるとのことで、将来のことを考えると小さいうちに手術しておいた方が良いとお医者さんに言われました。

だいたい一ヶ月半までに手術を終えるケースが多いとのことです。うちの息子は、ちょうど1歳で停留精巣が見つかったため、すぐに大学病院へ行き今後の対応についてお話させていただきました。

 

手術の内容

お医者さんに教えていただいた手術の内容は以下の通りです。精巣固定術というものだそうで停留精巣では実績のある方法とのことでした。手術時間も30分以内には終わるとのことで、実際そのくらいの時間で終わっていました。

 

  1. 下腹部(ソケイ部)を切開し、そこから精巣を見つける
  2. 精巣を袋に縫い付ける(抜糸は必要なく自然と溶ける)

 

傷口は下腹部に二箇所、袋の部分に縫い傷ができます。今は手術が終わって2ヶ月ほど経ちましたが、いまだに傷跡は残っています。

入院時にパジャマを持っていくのですが、下腹部を圧迫するような締め付けの強い下着やズボンは持っていかないようにしましょう。

 

全身麻酔のリスク

手術の内容を知ることができ、難しい手術ではないことを説明いただき手術に対する不安は多少払拭することができました。しかし、個人的に一番怖かったのは1歳で全身麻酔をすることです。

私自身、全身麻酔の経験がないということと、麻酔の量を少しでもまちがえば取り返しのつかないことになってしまうのではないかという考えがありとても不安でした。

入院前や手術前に、麻酔科の先生から全身麻酔のリスクや合併症について説明があったもののその不安は拭えず、自分で調査を実施したところ、以下の記事が参考になりました。

www.medicalfront.biz

 

九州大学で麻酔を専門に研究されている外先生という方の記事には、麻酔に年齢は関係ないと記載がありました。

むしろ、子供の方が合併症のリスクは少ないと考えられるという記載があり、合併症については一旦腹落ちすることができました。

子どもは,大人のような高血圧や糖尿病や肥満といった生活習慣病は少なく,合併症も少ない。だから,子どもの麻酔は大人より,そういった合併症によるリスクを心配する必要がない分,楽であるといっていい。

ただし、やはり子供にとって麻酔は負担がかかるため以下の3点については気をつけるべきということがわかりました。この点、麻酔科の先生に確認し、明確に回答をいただけましたので、私の場合はこれで安心することができました。

  • 麻酔の量
  • 呼吸器系のトラブル
  • 体温調節

麻酔の量については大人に比べて少量です。また、1歳児と乳児でも大きく麻酔の投与量が違うようです。麻酔科の先生にどの程度の麻酔量を投与するのか確認しておきましょう。呼吸器系のトラブルについては、子供は呼吸系がまだ発達段階であるため、嚥下機能が低下し窒息しやすくなるというリスクもあるようですが1歳半であれば乳児と比べてリスクがだいぶ低くなる旨説明いただきました。また、体温調節についても高熱が出る可能性があるが遅くとも1週間程度経てば落ち着いてくるとのことでした。(一方的にいろいろと質問したにも関わらず的確に回答いただいた先生には感謝です)

みなさんも、手術の際には事前に説明があると思うので、上記の内容について担当の先生に確認してみることをおすすめします。

 

 

入院について

うちの場合、入院は3泊4日でした。

手術前日、手術当日、手術後経過確認のため一泊。

食べてはいけないものなどは特にないのですが、手術の12時間前から飲食が一切禁止されます。もうかわいそうで見ていられなかったです。(絶食時間は病院にもよるかもしれません)

手術前は、基本的に普段の生活と変わりません。うちの子も病院にあるプレイルームでいつも通り遊んでいました。

夜は水も飲めないのでなかなか寝付けず結局23時頃に寝てくれました。喉は乾くし、慣れない環境で不安だったようです。

手術後は、水を少しずつ飲ませて問題ないようだったら通常の食事に戻ります。特に食べ物の制限はありませんでしたが好きなお菓子などは禁止で、病院で配給される食べ物のみでした。

 

手術について

精巣固定術の手術自体は15分ほどで終わるものですが、全身麻酔での実施となるためその時間も含めると2時間程度病室には帰ってきません。

手術室へ向かうとき、何も知らず無邪気にニコニコしていた息子ですが手術室に入る時はさすがに不安を感じたのかギャン泣き。。複数人の先生や看護師さんに押さえつけられる息子。いまだにあの時の泣き顔が忘れられません。

かわいそうで、こちらも泣きそうになりました。

手術が終わった後は、まだ麻酔が切れていないため寝ている状態で病室に戻ってきました。

腕には点滴がされており、それを見てまた泣きそうに。。

 

手術後について

病室に戻ってきて30分ほどで息子は目覚めました。お腹が空いているのか、痛いのか機嫌が悪くグズる息子。体温も38.5℃と高い状態でした。2時間程度で熱は下がってくると言われたのですが、うちの息子はなかなか下がらず結局退院した後しばらくしてやっと下がりました。(これは全身麻酔の影響です)

手術後も2時間は飲食禁止なので、頭を撫でてあげたりお腹を圧迫しないように抱っこしたりしました。それでも機嫌は治りませんでしたが、少しばかり安心したような表情になったように思いました。

やっとの思いで2時間が経過し、お水を飲んで良いと看護師さんから知らせがありました。

ただ、麻酔がきれた直後かつ絶食後なので胃を慣らすためにまずは50mlからあげるよう指示を受けました。案の定一気飲みする息子。足らないとのことでさらにグズります。。

1時間おきに50mlずつ増やし、夕食を迎えます。実に20時間絶食をしていたことになります。小さい体でよくがんばったね!!

あまりにもかわいそうだったので病院の許可を得て、ベッドで添い寝を行いました。(窮屈そう)

f:id:s0353149:20191030082147j:image

 

退院後について

退院後も傷口が開いたり、再度精巣が上がったりしないよう下腹部に強い刺激が入らないよう注意して生活を送る必要があります。

例えばチャイルドシートや抱っこ紐など下腹部に圧力がかかるものはできるだけ利用を避け、下腹部を圧迫しないように抱っこをするなど意識してやらないといけません。

これは、退院後の検査でもう抱っこ紐使っていただいて大丈夫ですよ、と言われるまで続ける必要があります。

 

また、退院後は1週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、その後18歳になるまで年に1回の検診があります。そんなに長い期間診ていくんだ〜と思いながら、思春期の時の検診は辛いだろうな、、と思い耽っておりました。

現在約2ヶ月経ちましたが腫れもなく経過は良好なようです。徐々にですが傷口も良くなってきていると思います。

写真は検査で病院に来たときの息子です。すっかり元気になりまして、病院の庭を探検しています。

f:id:s0353149:20191104223454j:image

 

<2020年1月25日 追記>

術後5ヶ月の検診に行ってまいりました。

お風呂に入っている時、左側の精巣が袋に落ちていないように見えていたので内心ドキドキしていましたが、診察の結果袋に縫い付いている状態であるとのことでした。

左側の精巣の上に引っ張る力が強く、縫い付けている袋ごと上に引っ張られている状態のようです。

また、息子は他の子と比べると袋が小さいようで、両方の精巣が袋に収まらないのではないのも一因ではないかとのこと。

今後成長する過程でより上に引っ張る力が強くなっていく可能性があるとのことで、半年後再度検診となりました。

再手術は絶対に嫌です。術後の息子の姿はもう二度と見たくありません。

どうか再手術になりませんように。

 

医療費について

我が家の地区では、中学生まで医療費が無料です。地域内の病院であれば支払いはありません。今回も地域内の病院で手術をしたのですが、医療費について全額負担なしだったかというとそうではありませんでした。具体的にかかったものは以下です。

  • 食事代(入院日数分)
  • 個室に移動した場合の部屋代(入院日数分)

これでおおよそ6,000円ほどかかりました。今回は3泊4日の入院だったのでこのくらいの負担ですみましたが、大きい病気や事故の場合は長期の入院となる可能性もあります。

 

おわりに 

ここまで書いた内容が、これから手術を受ける方にとって少しでも役立ったら幸いです。

とても不安ですよね。でも、リスクを考えたらやはり早いうちにやっておいたほうがいいと思います。同じ病院に、3,4歳で手術を受ける子がいましたが手術室へ行くときに暴れて大変そうでした。

手術の成功を心より祈っております。